源泉所得税の記事で、7月10日が重なる日だと書きました。納期の特例の納付期限、算定基礎届、そして労働保険の年度更新。
算定基礎届は先に調べました。残っていたのがこれです。
⚠️ 調べたら、税金の申告とは順番が逆の、変わった仕組みでした。
先に払って、あとで精算します
厚生労働省の説明です。
労働保険の保険料は、年度当初に概算で申告・納付し翌年度の当初に確定申告のうえ精算することになっており、事業主には、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を併せて申告・納付することとなっており、これを「年度更新」といい、本年度は6月1日から7月10日までの間にこの手続きを行っていただきます
整理するとこうです。
| 確定保険料 | 前年度の実績で計算し直して精算する |
| 概算保険料 | 当年度の見込みで先に払う |
| 手続き期間 | 6月1日〜7月10日 |
⚠️ 1回の手続きで、過去の精算と、未来の前払いを同時にやります。
これは消費税の中間納付と少し似ています。 前年の実績をもとに先に払い、あとで確定させて精算する。 ただし消費税は税務署が金額を決めて通知してくるのに対し、労働保険は自分で計算して申告するという違いがあります。
⚠️ 「概算」なので、実績とずれます
先に払うのは見込み額です。年度が終わってから、実際に払った賃金で計算し直します。
- 見込みより賃金が多かった → 翌年の年度更新で不足分を追加で払う
- 見込みより少なかった → 払いすぎた分が精算される
⚠️ だから、人を増やした年の翌年は、確定保険料が増えます。 賃金総額が増えれば、その分が後から来るということです。
賞与の社会保険料の記事で「賞与を出した翌月に資金が要る」と書きましたが、労働保険は1年遅れて来ます。 ⚠️ タイミングが違うだけで、構造は同じです。
分割して払える場合があります
まとめて払えないときの手当てもあります。
概算保険料額が40万円(労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係のみ成立している場合は20万円)以上の場合又は労働保険事務組合に労働保険事務を委託している場合は、原則として労働保険料の納付を3回に分割することができます
🚩 ここで事務組合が効いてきます。
労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している委託事業主は、労働保険料の額にかかわらず、概算保険料を3回に延納(分割納付)することができます
⚠️ 金額に関係なく3回に分けられます。 うちは商工会議所に事務委託していますが、そこにこういう効果もあったということでした。
事務組合に委託する理由として、社長が労災に特別加入できることは前に書きました。 分割納付は、もう1つの効果です。
⚠️ 委託手数料を払っているので、タダではありません。 ただ、「会費を払っているから使える制度」が、また1つ見つかったことになります。
7月10日に、3つ重なります
改めて並べると、この日はこうなっています。
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 労働保険の年度更新 | 6月1日〜7月10日 |
| 算定基礎届 | 7月10日まで |
| 源泉所得税の納期の特例 | 1〜6月分を7月10日まで |
**私が納期の特例を使っていないのは、毎月払うほうが楽だと思っているから**でした。⚠️ この重なりを見ると、その判断は間違っていなかったと思います。 7月10日に3つやるより、源泉だけは毎月に散らしておくほうが、確実に軽いです。
私がやること
⚠️ 調べて分かったのは、これが「6月に書類が来てからやる手続き」ではないということでした。
確定保険料は、前年度に実際に払った賃金で決まります。 つまり前の年度が終わった時点で、金額はもう決まっています。
やることは2つです。
- 賃金総額が前年から大きく増えていないか、年度が終わった時点で見ておく(⚠️ 増えていれば、翌年の年度更新で不足分が来る)
- 3回に分けられることを、資金繰りの前提に入れておく
⚠️ 2番は、事務組合に委託しているから使えるものです。 委託をやめると、この分割も使えなくなります(40万円以上でなければ)。
まとめ
- 労働保険の年度更新は、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を、同時に申告・納付する手続き
- 期間は毎年6月1日〜7月10日
- ⚠️ 先に見込みで払い、翌年度に実績で精算する。 賃金が増えた年の分は、1年遅れて追加で来る
- 概算保険料が40万円以上(片方だけなら20万円以上)なら3回に分割できる
- 🚩 ⚠️ 労働保険事務組合に委託していれば、金額にかかわらず3回に分割できる
- ⚠️ 7月10日は、年度更新・算定基礎届・源泉の納期の特例が重なる日
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この記事について
本記事は執筆時点(2026年9月)に厚生労働省が公表している資料にもとづいて書いています。筆者は社会保険労務士ではありません。
⚠️ 保険料率、賃金総額に含める賃金の範囲、分割納付の回数と納期は、業種や年度によって変わります。 また、年度更新の期間が変更されることもあります。
自社の申告については、必ず所轄の労働局・労働基準監督署、委託している労働保険事務組合、または社会保険労務士にご確認ください。 本記事は一般的な情報提供であり、個別の判断を示すものではありません。