社用車が増えたとき、減ったとき。そのたびにETCカードの枚数を調整するのが、地味に面倒です。
うちは今、法人クレジットカードに付帯するETCカードを3枚使っています。正確には4枚持っているのですが、車が1台減ったので1枚が宙に浮いた状態です。
調べていて分かったのは、法人のETCカードには方式が2つあり、選ぶ基準がはっきりしているということでした。そして片方は、条件によっては年間10万円近くコストが変わります。
この記事は、クレジットカード付帯型を実際に使っている立場から、もう一方の選択肢を調べて整理した記録です。
法人のETCカードは2種類ある
① クレジットカード付帯型
法人クレジットカードを作り、それに紐づくETCカードを発行してもらう方式です。うちはこれです。走行料金はクレジットカードの利用分として請求されます。
② 協同組合発行型
協同組合に加入して、組合経由でETCカードを発行してもらう方式です。クレジットカードではないので、カード会社の与信審査が発生しません。走行料金は組合がまとめて精算し、口座振替などで支払います。
「審査なし」「発行率No.1」といった宣伝を見かけるのは、こちらの方式です。
クレジット付帯型を使っていて、良い点と面倒な点
良い点:走行料金に上乗せがない
これが最大の利点です。後述しますが、協同組合型には走行料金に対する手数料がかかります。クレジット付帯型にはそれがありません。年会費はかかりますが、ETCカード1枚あたり無料〜数百円程度のものが多く、走行距離が伸びても増えません。
面倒な点:追加するたびに書類が要る
正直、これが一番のストレスです。車を1台増やすたびに、カードの追加申請で書類を用意することになります。1枚だけのために、また同じ手順を踏むのかと思うと気が重い。
そして、車が減るとカードが余ります
うちの今の状態です。使わないカードが1枚あって、年会費だけがかかっている。解約すればいいのですが、また増えるかもしれないと思うと踏み切れない。車両の増減がある会社では、枚数の調整が常につきまといます。
協同組合型を調べてみた(実際の数字)
広告や比較サイトの表現ではなく、組合の公式サイトに載っている数字を確認しました。
| 項目 | 金額・条件 |
|---|---|
| 出資金 | 10,000円/1社(脱退時に返金) |
| カード発行手数料 | 880円(税込)/1枚 |
| 年間手数料 | 880円/1枚(年1回) |
| 事務手数料 | 毎月の走行料金に対して8% |
| クレジット審査 | なし |
| 発行枚数 | 登録車両1台につき最高4枚 |
必要な書類は次のとおりです。
- 履歴事項全部証明書(発行6か月以内。個人事業者は所得税確定申告書)
- カードを申請する車両の車検証(写し)
- 申請車両のETC車載器セットアップ証明書(写し)
- 代表者の運転免許証、住民票、健康保険証などの写し
8%をどう見るか
ここが判断の分かれ目です。走行料金の8%は、走れば走るほど効いてきます。
| 月のETC利用額 | 8%の事務手数料(月) | 年間 |
|---|---|---|
| 5万円 | 4,000円 | 48,000円 |
| 10万円 | 8,000円 | 96,000円 |
| 20万円 | 16,000円 | 192,000円 |
クレジットカード付帯型なら、この上乗せはゼロです。高速道路をよく使う会社ほど、差は大きくなります。
うちの規模で単純に当てはめても、年間で数万円から十万円近い差になります。これは「手続きが楽だから」で流していい金額ではありません。
結論として、クレジットカードの審査が通る会社であれば、クレジット付帯型を選ぶべきだと思います。 私も乗り換える理由はないと判断しました。
それでも協同組合型が必要になる会社がある
では誰のための選択肢なのか。調べていて、はっきりしました。
クレジットカードの審査が通らない、または通りにくい会社です。
- 創業して間もない会社(決算書がまだない)
- 直近の決算が赤字の会社
- 代表者個人の信用情報に不安がある場合
- カード会社から必要な枚数を出してもらえない場合
法人クレジットカードの審査は、会社の決算内容と代表者個人の信用の両方を見られます。事業として問題なく回っていても、設立から日が浅いというだけで通らないことがあります。
そして高速道路を使う仕事なら、ETCカードは「あれば便利」ではなく業務に必須です。カードが作れないから仕事が回らない、という状況は現実に起こります。
その場合、8%を払ってでも確実に発行できる方式には意味があります。**これは「割高な選択肢」ではなく、「他に手段がない会社のための選択肢」**という整理が正しいと感じました。
「審査なし」=「書類がいらない」ではない
誤解しやすい点なので書いておきます。
協同組合型が「審査なし」と言っているのは、クレジットカード会社による与信審査がないという意味です。書類の提出は普通に必要です。 上に挙げたとおり、履歴事項全部証明書も車検証もセットアップ証明書も要ります。
「面倒な書類なしですぐ作れる」と期待すると、話が違うことになります。手間が消えるのではなく、審査に落ちるリスクが消える方式だと理解しておくのが正確です。
なお枚数は登録車両1台につき最高4枚まで。車両の台数を超えて自由に持てるわけではありません。
まとめ:選び方はシンプルだった
調べ終えて、判断基準は思ったより単純でした。
クレジットカードの審査が通るなら → クレジットカード付帯型
走行料金への上乗せがなく、長期的に安い。追加のたびに書類が要るのは面倒だが、その手間はコストに見合う。
審査が通らない、または必要な枚数が出ない → 協同組合型
走行料金の8%はたしかに重い。ただ、カードがなくて仕事が止まるよりはるかにいい。会社が育って審査に通るようになったら、そのとき乗り換えればいい。出資金は脱退時に返ってきます。
後者に当てはまる場合は、こちらから条件の確認と申し込みができます。
私自身は前者のままでいきますが、創業したばかりの知り合いに聞かれたら、後者を教えると思います。 どちらが優れているかではなく、会社の状況で答えが変わる話でした。
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会社の実務で、同じように自分で調べて整理したものです。
この記事について
本記事は、公開時点で各社・各組合が公表している情報と、筆者自身の利用経験をもとに整理したものです。手数料や条件は変更されることがあり、また会社の状況によって審査結果や適した選択肢は異なります。お申し込みの際は、必ず各社の公式サイトで最新の条件をご確認ください。
参考にした情報
- ETC協同組合 法人ETCカード(出資金・手数料・必要書類・発行枚数)