投資はNISAだけやっています。個別株もFXも不動産もやっていません。
理由は単純で、会社が儲かっても、自分個人の資産は増えないからです。
当たり前のことを書いているようですが、会社員だった頃はこれを意識する必要がありませんでした。 給料は自動的に自分の口座に入ってきます。経営者になると、そうはいきません。
会社のお金は、自分のお金ではない
会社に利益が出て、預金が積み上がったとします。それは会社の資産であって、私の資産ではありません。
個人に移すには、方法が限られます。
- 役員報酬として毎月受け取る
- 退職金として受け取る
そしてどちらにも税金と社会保険料がかかります。役員報酬をいくらにするかで書いたとおり、個人に多く出せば税と社会保険料が増え、会社に残せば法人税がかかります。
つまり経営者は、意識して動かさないと、個人の資産がいつまでも増えません。 会社の数字だけ見て「うちは順調だ」と思っていても、自分個人の預金は何年も変わっていない、ということが起こります。
会社が続く保証はない
もう1つ、はっきり意識していることがあります。
本業がうまくいかなくなったとき、会社の資産も一緒に沈みます。
会社にお金を置いておくのは、同じ船に全部積んでいるのと同じです。船が傾けば、積み荷も一緒です。
個人側に別の資産があるかどうかで、そのときの選択肢がまったく変わります。立て直すために時間を稼げるのか、すぐに畳むしかないのか。 そこが分かれると思っています。
現金で置いておくと、目減りする
そして、個人に移したお金を現金のまま置いておくのも、それはそれで減ります。
物価が上がれば、同じ金額で買えるものが減るからです。預金の数字は変わらなくても、価値は下がっています。
これは、仕事をしていると数字で見えます。数年前と同じものを買うのに、同じ金額では買えません。 材料も、外注の単価も、上がっています。「物価が上がっている」というのは、経営者にとってはニュースではなく、毎月の請求書の話です。
その実感がある以上、現金のまま置いておく選択は取れませんでした。 これがNISAをやっている直接の理由です。
共済も調べましたが、まだ入っていません
経営者の資産づくりというと、まず共済が出てきます。私も調べて、記事にしました。
ただ、どちらもまだ入っていません。 今やっているのはNISAだけです。
制度としての役割を整理すると、こうなります。
| 主な役割 | |
|---|---|
| 小規模企業共済 | 掛金が全額所得控除。税を抑えながら、退職金を積む |
| 経営セーフティ共済 | 掛金が全額損金。取引先の倒産に備える |
| NISA | 控除はない。増えた分に税金がかからない |
共済は、税を抑えながら積み立てる制度です。大きく増やすことを狙う仕組みではありません。
NISAは逆で、掛金の控除はありませんが、増えた分に税金がかからない制度です。
節税の効果だけを比べれば、共済の方がはっきりしています。それでも今やっているのがNISAだけなのは、目的が違うからです。共済は税と退職金の話、NISAは個人の資産を増やす話。私にとって先に必要だったのは後者でした。
どちらが上という話ではありません。 共済についてどう考えたかは、上の2本に書いています。
なぜ個別株やFXをやらないのか
ここが、会社員の方と一番違うところかもしれません。
経営者は、すでに巨大なリスク資産を持っています。自分の会社です。
会社は、こういう資産です。
- 分散されていない(1つの事業、1つの地域)
- すぐには現金化できない
- 本業の景気に完全に連動する
これ以上リスクを取る必要が、どこにあるだろうと思いました。
本業で毎日リスクを取っているのに、金融資産でも同じことをしたら、悪いときに全部同時に悪くなります。 それは避けたい。
加えて、単純に時間がありません。 相場を見て売買する時間があるなら、本業に使った方が確実だと思っています。
だから、NISAで積んで、あとは触らないという形に落ち着きました。
やっていないことも書いておきます
正直に書いておきます。
- 法人での投資はしていません(会社のお金で運用はしていない)
- iDeCoもやっていません
- 共済にも、まだ入っていません
- 口座を作るときに、特に苦労はありませんでした(詰まった話は書けません)
なので、この記事は「証券口座の選び方」の話ではありません。経営者が、なぜ個人側で資産を持とうと考えたか、という話です。
まとめ
私の考えを整理すると、こうなります。
- 会社が儲かっても、個人の資産は自動的には増えない
- 会社が傾けば、会社に置いた資産も一緒に傾く
- 現金のまま持っていると、物価上昇で価値が下がる
- でも本業ですでにリスクを取っているので、金融資産で冒険はしない
この4つの結果として、NISAで積むだけという形になりました。
派手な話ではありませんが、経営者にとって「会社と個人を分けて考える」ことは、思ったより大事だと感じています。
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この記事について
本記事は、筆者自身の考えと実際にやっていることを書いたものです。特定の金融商品や証券会社をすすめるものではなく、投資の助言でもありません。 投資には元本割れの可能性があり、制度の内容や税制は改正されることがあります。実際の判断は、ご自身の状況に応じて、必要に応じて専門家にご相談のうえで行ってください。