うちは、融資を自分で申し込んでいます。

保証協会付き・プロパー・マル経融資の3種類を借りてきましたが、すべて自分で銀行に行っています。 融資の代行やコンサルを使ったことはありません。

ただ、ネットで資金調達を調べると**「融資代行」「資金調達コンサル」**の広告がよく出てきます。成果報酬1%〜、といった表示です。

調べてみたら、知らなかったことが2つありました。

① 融資代行の手数料には、法律で上限が決まっています
②「1%〜」の1%は、1億円を超えた部分だけの話でした

融資代行の手数料は、法律で上限があります

まず、これを知りませんでした。

出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)の第4条に、こう定められています。

金銭の貸借の媒介を行う者は、その媒介に係る貸借の金額の百分の五に相当する金額を超える手数料の契約をし、又はこれを超える手数料を受領してはならない

融資を仲介する側が受け取れるのは、借入金額の5%までということです。

⚠️ そして重要なのが第3項です。

礼金、調査料その他いかなる名義をもつてするかを問わず、手数料とみなして

名前を変えても合算されます。 着手金、調査料、顧問料、事務手数料——どう呼んでも手数料です。

つまり**「着手金3% + 成功報酬3%」は、合計6%なので違法**ということになります。

違反には罰則があります。3年以下の懲役または300万円以下の罰金です。

⚠️ もうひとつ。借入期間が1年未満の場合は、日数に応じてさらに低くなります。 「年5パーセントの割合を乗じて計算した金額」が上限なので、半年なら実質2.5%程度です。短期のつなぎ資金で5%取られていたら、おかしいということになります。

⚠️「成果報酬1%〜」の1%は、1億円超の部分だけです

ここが、私が誤解しかけたところです。

「1%〜」という表示を見て、1%だと思いました。違いました。

実際に料金表を確認すると、レーマン方式という段階制になっていることが多いです。たとえば融資代行プロの場合、こうなっています。

調達額のうち 報酬
1,000万円以下の部分 5%
1,001万〜3,000万円の部分 3%
3,001万〜1億円の部分 2%
1億円超の部分 1%

「1%」が適用されるのは、1億円を超えた部分だけです。

1,000万円を借りたら、手数料は50万円になります。

⚠️ 誤解しないでほしいのですが、これは違法ではありません。 法定上限は5%なので、上限ちょうどです。着手金なし・相談無料・成功時のみという条件も、それ自体は良心的です。

問題は「1%〜」という表示から受ける印象と、実際に払う額が違うことです。

中小企業や個人事業主が借りる額は、たいてい1,000万円以下です。つまり、ほとんどの読者にとっては5%の世界だということになります。

上限があるということは、上限まで取れるということです

ここで、ひとつ考え方を変える必要がありました。

「5%以下だから安心」ではありません。

5%は相場ではなく、天井です。法律で「これ以上は取ってはいけない」と決められている線であって、適正価格を示しているわけではありません。

ファクタリングのときにも同じことを書きました手数料の上限が示されているかどうかと、その額が妥当かどうかは、別の話です。

私は自分で借りています。ただし条件が違います

正直に書いておきます。

私は代行を使っていません。 保証協会付きもプロパーもマル経も、自分で銀行や商工会議所に行って借りました。だから「代行なんて要らない」と言いたくなります。

でも、それは条件が違うからです。

うちは先代から引き継いだ会社で、銀行とは既に取引があります。 決算書も何期分もあります。担当者の顔も知っています。

ゼロから始める人は、そこがありません。 決算書がなく、実績がなく、誰に会えばいいかも分からない。同じ「自分で行く」でも、難易度がまったく違います。

5%を払う意味があるのは、どういう場合か

では、どういうときに払う価値があるのか。序列で考えると、はっきりします。

事業資金の調達には順番があると書きました。銀行が一番安く、下に行くほど高くなります。

代行に5%払うのは、上の段に手が届くようにするための費用です。だとすると、比べる相手は「代行なしの銀行」ではなく、**「代行を使わなかった場合に行くことになる、下の段」**です。

1,000万円を5年で借りる場合の概算で並べてみます。

手数料 利息(5年・概算) 合計
自分で銀行から(年2%) 0円 約50万円 約50万円
代行経由で銀行から(年2%) 50万円 約50万円 約100万円
ビジネスローン(年10%) 0円 約250万円 約250万円

(返済が進むと残高が減るので、利息は単純計算の半分程度としています。実際の条件で変わります

自分で銀行から借りられるなら、それが圧倒的に安い。 ここは動きません。

問題は、自分では通らない場合です。 そのとき選択肢は「代行に5%払って銀行」か「ビジネスローン」の二択になります。この比較なら、代行のほうが安く済むことがあります。

つまり「5%は高いか」ではなく、「5%払って上の段に行けるのか」が問いでした。

⚠️ 代行を使えば必ず通るわけではありません。 通らなければ、5%を払う場面すら来ません(成功報酬なので費用も発生しません)。そこは確認したうえで相談する話です。

⚠️ 業者を見るときの3点

調べていて、見分け方も出てきました。

① 着手金と成功報酬の合計が、5%を超えていないか

出資法第3項のとおり、名義を問わず合算されます。 「着手金は別です」と言われたら、足して5%を超えないか確認してください。超えていれば違法です。

②「成否に関わらず一律◯万円」になっていないか

融資が通らなくても取られる形は、成功報酬とは別物です。

③「1%〜」の「〜」が何を意味するか

上に書いたとおりです。自分が借りる金額でいくらになるのかを、先に聞いてください。

そして書類を作り替えて無理に通そうとする業者には、絶対に近づかないでください。後で発覚すれば、融資の一括返済を求められます。

相談してみる場合

私は使っていないので、使い勝手は分かりません。

そのうえで、創業期で決算書がなく、自分で銀行に当たっても通らないという段階なら、相談してみる価値はあると思います。相談は無料で、成功しなければ費用は発生しません。

⚠️ ただし**「1,000万円以下は5%」を分かったうえで**相談してください。この記事で伝えたかったのは、そこです。

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まとめ

  • 融資代行の手数料は、出資法で借入額の5%が上限。名義を問わず合算され、違反には刑事罰がある
  • 「1%〜」の1%は1億円超の部分だけ。1,000万円以下は5%
  • 5%は相場ではなく天井。上限以下だから安い、ではない
  • 比べる相手は「代行なしの銀行」ではなく「代行を使わなかったら行く先」
  • 自分で銀行から借りられるなら、それが一番安い

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この記事について

本記事は執筆時点(2026年8月)の法令・各社が公表している情報と、筆者自身の経験にもとづいて書いています。筆者は融資の代行・コンサルティングサービスを利用したことがありません。

手数料の体系は事業者ごとに異なり、改定されることがあります。 記事中の試算は概算であり、実際の金利・返済方法・期間によって結果は変わります。融資の可否は個別の審査によります。 契約前には、出資法の規定を踏まえ、着手金を含めた費用の総額を必ず書面で確認してください。判断に迷う場合は、顧問税理士や取引金融機関にもご相談ください。